組織化により効率が良くなるもの・悪くなるもの

ジョッチョが今の動物園に入園したころ、まだ園内には柵や檻のようなものが作られておらず、十数匹の動物たちが自由気ままに過ごしていました。

 

何かお仕事や案件が発生したら、なんとなく全動物で手分けをして何となくゴールまで持ち込むような動きをしていました。

 

しかし、それでは各動物の動きに無駄が生じたり、技能が満足に活かされなかったりすることが多かったので、まずは柵作りからはじめました。

 

 

「デザインが得意な動物はこの柵ね」「この柵には営業が得意な動物に入ってもらおう」「こっちの柵の動物は品質管理をしてね」といった感じに、もともとの動物たちの特性を考慮して柵作りを行いました。

 

この頃はまだ安定していたような気がします。

 

当然、どの柵にも該当しない業務はありましたが、そういうときも各柵の動物たちで相談・協力し合いながら問題解決に向けて動けていました。

 

まあ、お世辞にも効率良く最適解で進めていたわけではありませんでしたが……。

 

それでも、着実に各動物の経験値は増え、技能を習得し、動物園自体がプラスに成長しているのを肌で感じることができていました。

 

 

やがて、各動物が囲われていた柵が、より強固な檻に変わり、各檻の役割も明確に示されるようになりました。

 

今となっては、ここでのやりかたが分岐点のひとつだったのかな……と思うことが多いです。

 

各檻の役割が明確になるのと引き換えに、どこの檻にも該当しない業務が宙ぶらりんになることも増え、解決するまでに時間が掛るようになったと感じました。

 

 

檻の存在により、檻の中での生活しか考えられない動物や、他の檻の都合を考えられない動物が増えたと思います。

 

これは別にすべて動物が悪いとは言いません。

 

そういう仕組を導入したのが動物園なので、導入と導入後のマネジメントの問題かと思います。

 

すべて縦割りにしてそれぞれの分野のプロ集団とするのであれば、それでも成り立つ業務フロー・スキームを構築すれば良いだけですし、そこが難しい場合はグレーゾーンも柔軟に対応できる幅を持たせた仕組みにすれば良かっただけです。

 

そういった意味では、この檻という仕組みができた際に、もっと自分に頭脳や器量や権限があれば未来は変わったかのかな……と思うこともあります。