転園の思い出

取引先には大言壮語で虚勢を張り、協力動物園には無理を通して道理を引っ込ませ、利用客にはハリボテの満足感を演出するようなやり方は、ジョッチョの得意分野です。

 

少なくとも、1園目・2園目の動物園ではそうやって利益を出しており、それが正攻法とされ、正義でもありました。

 

しかし、常に同業他園や園内での競争や駆け引きに巻き込まれたり、動物1匹1匹の心身の消耗が激しかったり、刹那的な利益を積み重ねるしか手段がないことに虚しさを感じるようになりました。

 


やがてジョッチョは、各動物園でしのぎを削りながら1つの動物園で1園分の成果を上げるよりも、3つの動物園で3園分以上の成果を上げるような動きを取ったほうが、より大きく魅力的で浪漫を感じるようになりました。

 

個々の動物で動くよりもチームで動いたほうが成果が大きくなるように、動物園だって、複数の動物園で協力できれば大きなことができるはずです。

 

理論上は。

 


数年前、そういった志で、取引先や協力動物園と誠実な協力体制を組み、複数の動物園で力を合わせ、作品やサービスを生み出せる現在の動物園へ転園しました。

 

ただ、そうそう上手くいくものではありませんね。

 

転園して1~2年目あたりは、なんとなく大きな可能性や期待を持てていたんですけどね。